iPhoneの充電方式はワイヤレス充電(Qi)、MagSafe、有線(Litning/Type C)と色々ありますが、結局どれが一番なのか?
各充電方式の最大ワット数など色々調べたので充電器選びの際の参考にどうぞ。
iPhone12以降の機種に搭載されているMagSafe(マグセーフ)充電について、有線での充電に比べてどの程度スピード差があるのかも検証しました。
執筆時、充電速度が最速なのはPDアダプダに有線接続の組み合わせです。
この記事の目次
iPhoneの充電方式と充電速度(ワット数)
近年のバッテリーの大容量化により「急速充電」という言葉が一般的になりましたが、充電時に使用するアダプタや接続方法にはいろいろな組み合わせがあります。
特にiPhoneの場合は有線での充電の他に、スマホの背面にピタッと充電器をくっつけて充電するMagSafe充電やワイヤレス充電なども使えるのでややこしい感じ...。
アダプタはどれを使えばよい?
当記事では、多すぎて結局よく分からないiPhoneの充電方法について整理します。
端末や充電方式ごとの最大充電ワット数の詳細はAppleからは公開されていません。
そこでYoutubeの検証動画やインターネットで調べたところ、iPhoneの各充電方式による最大充電ワット数(W)は以下のような感じになっているようです。
iPhone機種別:充電方式と最大充電ワット数(目安) | |||
有線 | MagSafe | Qi(ワイヤレス充電) | |
iPhone14,15(Pro含む) | 25W~27W程度 | 最大15W | 最大7.5W |
iPhone12,13(mini以外) | 20W~25W程度 | 最大15W | 最大7.5W |
iPhone 13 mini | 最大18W | 最大12W | 最大7.5W |
iPhone 12 mini | 最大18W | 最大12W | 最大7.5W |
iPhone 8~11 | 最大18W | 非対応 | 最大7.5W |
補足
上記の表はあくまで当サイト調べですので、参考までに。
ポイントとしては以下の通りになっています。
ポイント
- 急速充電(7.5W以上の充電)ができるのはiPhone8以降の機種
- Qi(チー)と呼ばれるワイヤレス充電は一律で最大7.5Wの充電スピード
- MagSafe充電はほとんどの機種が最大15Wで、miniシリーズに限り最大12W
- 一般的に新機種の方がバッテリーが大容量かつ有線の充電スピードは速い
以上をまとめると、充電スピードが最速なのはやはり有線接続による充電です。
有線接続でないならワイヤレス充電(最大7.5W)よりもMagSafe(最大15W)を使った充電の方が高速な充電が可能ということになります。
参考
ワイアレス充電のQi(チー)に関しては、現在Qi2(チー・ツー)という新しい規格が出ましたが、これがMagSafeよりも優秀かどうかはまだ分かりません。
有線充電が最速ですが、電源アダプタに十分な出力ワット数が無い場合は十分な充電スピードが発揮できません。ということで続いて充電アダプタについてまとめます。
USB/QC/PDの最大出力ワット数
iPhoneの充電の際にコンセントに差し込むACアダプタ。この電源アダプタにも複数の種類があり、その出力差によってiPhoneの充電スピードに大きな影響が出ます。
充電器のアダプタに使用されている規格には、
- 普通のUSB
- USB Type-C Current
- Quick Charge(通称QC)
- USB Power Delivery(通称PD)
という4種類が主にあり、これらの最大出力ワット数については以下の通りです。
USB充電アダプタの最大出力ワット数 | ||
規格 | 最大ワット数(W) | 参考 |
USB1.1/USB2.0 | 最大2.5W | 電流0.5A/電圧5V |
USB3.0 | 最大4.5W | 電流0.9A/電圧5V |
USB BC 1.2(USBの新規格) | 最大7.5W | 電流2.5A/電圧5V |
USB Type-C Current(1.5A) | 最大7.5W | Lightningでも使用可 |
USB Type-C Current(3.0A) | 最大15W | Lightningでも使用可 |
QC3.0 | 最大18W | スマホの充電器は3.0が一般的 |
PD | 最大100W | 現在は240Wまで対応 |
補足
QC1.0(10W)、QC2.0(15W)、QC4(18W/27W)、QC5(45W以上)という企画も存在しますが、iPhoneの充電器に多く使われているのはQC3.0だと思います。
今から急速充電対応ACアダプタを購入するならQC3(最大18W)の物か、端末がType CならPD規格のACアダプタ(20W程度~)の物を選んでおけば間違いありません。
ぶっちゃけ20Wと30Wではそこまで充電スピードに差は出ないようです。
ちなみに(以前まで)iPhoneに付属していたACアダプタは、1A/5Vなので最大出力はわずか5Wです。つまり急速充電に対応していません。寝室用ですね。
まだ使っている人は急速充電アダプタを購入すれば充電スピードが速くなります。
急速充電には18W以上の充電器がお勧め
iPhoneが急速充電に対応していても、電気の供給元である充電アダプタの出力ワット数が低ければ意味がありません。充電速度だけを考えた時に理想的なのは、
iPhoneの最大受け入れワット数 ≦ 接続機器 ≦ 電源アダプタ
という充電機器の組み合わせです。
なので、とにかく充電速度を速くしたいなら、ゴツイACアダプタ(18W~100W)に対応した太い充電線を組み合わせればOKです。
とはいえ最大出力(ワット数)と充電器の大きさは基本比例します。
ワット数が大きい充電器ほどデカくなってしまうので、そこは難しい所です。
ということでコンパクトis bestな僕が探し回ったお勧め品を少しピックアップ。
QC3:18W/PD:20Wのコンパクト充電器
QC3対応のUSB-TypeA(最大18W)でなおかつコンパクトなのがこれでした。
USBポートが1つのタイプもありますが、大きさはあまり変わらないのでどうせならPDポート付きが良いかと思いました。なおこちらのPDは最大20W。
コンパクトかつ高出力(65W)のPDアダプタ
PD用のアダプタについてはほぼ1拓かな?Ankerというメーカーが良いです。
コンパクトなのにPD65Wという高出力なACアダプタです。
Macをお持ちなら95Wとかもありますが、かなりデカいので持ち運びは不便です。
MagSafe充電器はApple MFi認証のものを選ぶ
ここでMagSafe充電器を使う際にぜひ知っておきたいポイントがあります。
それがサードパーティー(社外品)のMagSafe充電器をiPhoneで使う場合、アップル製品との互換性を証明する「Apple MFi認証」の充電器を買わないと従来のワイアレス充電(Qi充電)になってしまうという点です。
Apple MFi認証が無いApple製品以外の充電器を使った場合MagSafe充電(15W)ではなく、ワイアレスのQi充電(7.5W)という急速充電とは呼べないスピードでしか充電できないことがあるので、注意が必要です。
MagSafe充電器はApple製か、MagSafeに対応した商品を選びましょう。
僕はコンパクトさとスタイリッシュさ優先なので↓のMagSafe充電器を使ってます。
唯一の不満点はブラックという名の灰色だったことです。(画像は記事冒頭にあり)
MagSafe充電に関しては、iPhone自体が最大15Wまでしか対応しないので、MagSafe充電器の出力は15W以上であれば何でもOK!好みで選んじゃいましょう~
有線とMagSafeなら有線の方が充電速度が速い
続いて「有線充電 VS MagSafe充電」についてです。
同じ出力(ワット数)の充電器なら有線とMagSafeのどちらが速いのか?
これを検証してみました。結論から言うと充電スピードはやはり有線の方が速かったです。が、MagSafeも遅くはなく十分に実用できるスピードです。
iPhone12 miniとiPhone13を使った充電スピードの検証結果は以下の通りです。
いずれもバッテリー値44%から10分、15分で何%まで充電できるかを検証しました。
(バッテリーに負荷をかけないために80%以上からゆっくり充電らしいので44%で)
iPhone 12 mini(44%からスタート) | 平均充電速度 | |
車載MagSafe(最大15W) | 10分で57%、15分で63% | 1.26%/分 |
卓上MagSafe(最大18W) | 10分で57%、15分で63% | 1.26%/分 |
卓上MagSafe(ケース無し状態) | 10分で56%、15分で61% | 1.13%/分 |
有線(QC3アダプタ/最大18W) | 10分で59%、15分で65% | 1.4%/分 |
iPhone付属の純正アダプタ | 10分で54%、15分で59% | 1%/分 |
iPhone 12 miniのMagSafe充電による最大ワット数は12Wです。
なので15WのMagSafe充電器でも18WのMagSafe充電器でも充電速度は同じでした。
一応MagSafe対応ケースの有無も検証しましたが、ケースなしの方が遅かったです。
iPhone 13(44%からスタート) | 平均充電速度 | |
卓上MagSafe(最大18W) | 10分で50%、15分で55% | 0.73%/分 |
有線(QC3アダプタ/最大18W) | 10分で55%、15分で60% | 1.06%/分 |
補足:iPhone13の受け入れ最大ワット数は23W程度(MagSafeは最大15Wまで) なので高出力なACアダプタに変えれば有線の充電スピードはもう少し速くなります。 |
QC3の有線充電(最大18W)が最速でしたがMagSafe(最大18W)も十分速いです。
有線とMagSafeではiPhoneの最大受け入れワット数に違いがあるので、何とも言えませんがおそらく有線の方が電力の伝達効率も良いのでしょう。
検証結果のポイントをまとめると以下の通り。
ポイント
- ACアダプタが同じ出力ワット数でも有線の方が他の充電方式よりも速い
- iPhone 12 mini(最大12W)では15Wと18WのMagSafeで充電速度は同じ
- MagSafe対応ケースの有無は充電速度にそこまで影響しない
- iPhone付属の純正アダプタ(5W)の充電速度は最遅
最近のApple製品はType-Cばかりなので、PDアダプタが速くて良いです。
とはいえMagSafeも15Wの充電ができるので遅くはないですね。
まとめ
以上、iPhoneの急速充電や充電形式に関する調査結果でした。
iPhone12までの人はUSB-TypeAのQC3による18Wの有線充電。
iPhone13以降の人はUSB-TypeCのPDによる25W前後の有線充電が速いです。
MagSafe充電に関しては一律15Wが最大ワット数なので、デザインで決めてOK!
僕はMagSafeは超便利だと思う派の人間です。ピタッと引っ付けるだけで充電できるので、車のデッキ部分にもMagSafeを埋め込んじゃったくらい好きです。便利。
余談ですが、車載している最大出力18WのMagSafe充電器。
シガソケを改して取り付けた電力計によれば9.8Wが最大出力でした。
iPhone 12 miniは12WでMagSafe充電するみたいですが、実質12Wでは充電されないみたいです。ではではこのへんで・w・