ロジクール(Logicool)のボールマウス「MX ERGO」を約4年間、時間にして6000時間以上使い続けている筆者が書く、MX ERGOの実機レビューです。
マウスカーソルの移動操作を指先で行うトラックボールマウスは、普通のマウスを使っている人には遠慮されがちですが、使いこなせば作業効率を大幅に上げることが可能なツールです。
ボールマウスを使ったことがない人にはもちろん、入門モデルのボールマウスを使用中の方にもお勧めしたい!そんなMX ERGOの使用感をまとめました。
MX ERGOはこんな人におすすめ
- マウス作業を更に効率化したい方
- 長時間のマウス操作に疲れを感じる方
- マウスの操作スペースが狭く窮屈な方
- ボールマウスを使用したことがない方
- コピペや全て選択を多用する方
これが最高!
MX ERGOのボタン数はボールマウスの中でも特に多く、計8個のボタン付き!
左右のクリックを除けば6個ですが、この6ボタン全てにそれぞれ好きな操作を割り当てることが出来るのが最高に良いです!コピペ作業も一瞬です♪
この記事の目次
ロジクールMX EROGの実機レビュー
執筆時時点(2022年5月)では、ロジクールのトラックボールマウスには「M575」と「MX ERGO」の2種類がラインナップされています。
この2機種の位置づけは、
M575は低価格でボールマウス入門におすすめのモデル。
MX ERGOは高価格でハイエンドモデルという位置づけとなっています。
今回レビューする「MX ERGO」は1万円を超えるマウスなので、マウスの中でも特に価格が高い機種だといえます。筆者も購入時はずいぶん迷った記憶があるのですが、今思い返せば価格以上の商品です。
かくいう筆者はほぼ毎日、当ブログの作業にMX ERGOを使用しています。
ざっくり見積もっても既に6000時間以上は使用しており、この記事のために撮影したマウスは汚いです…そういうところも“信頼”として読んでいただければ幸いです(笑)
(撮影前にかなり掃除したのですが、これが限界でした…)
では早速いきましょ~!
気合が入っているので多分?いや、きっと長い記事になります!w
トラックボールマウスの特徴とメリット
まずはトラックマウスとは?というお話から。
トラックボールマウスは少し特殊な形、使い方のマウスなので実際にモノを見たことがない人も少なくないと思います。
筆者がボールマウスを初見したのは大学のゼミ室にあるのを発見した時です。
“何このボール!?なんと使いにくそうな形のマウス…”
というのが第一印象。まさか今後愛用するとは考えもしませんでした。
ボールマウスの1番の特徴は何といってもマウスカーソルの操作をボールを転がして行うという事でしょう。
一般的なマウスは、マウス本体を移動してカーソルを動かしますが、ボールマウスはこれをトラックボールと呼ばれるボールを転がして操作する訳です。
このボール操作によるカーソル移動は、実はメリットだらけ!
一般的なマウスに比べた時、ボールマウスには以下の強みがあります。
- マウス移動が不要なので、手首、腕、肩が疲れにくい
- マウス移動が不要なので、本体分のスペースがあれば使用できる
- レーザーを使用していないので、ガラス面でも使用できる
- マウス底面にボールがないので、傾斜面でも使用できる
- クリック時にカーソルがブレない(ゲーミングとしても優秀)
- ボール部分を清掃することで、簡単に操作感が復活する
などなど…ボール操作には思っている以上のメリットがあります。
画像は少しおおげさですが、机が散らかっていても問題なく使えます!
その気になれば片づけずに、物の上に置いてマウスを使うことも可能。
マウスの底面にカーソルセンサーがないのがデカいですね。
本体の置き場所に困らないので、ひざ(太もも)の上に置いて使うことも出来ます。
「ノートPC+ボールマウス」の組み合わせなら、電車の中も余裕で作業できますね。
トラックボールマウスの種類(ボール位置)
続いてトラックボールマウスの種類についてです。
一昔前に比べれば種類は増えたものの、ボールマウスの知名度はまだまだ低く、それほど選択肢は多くありません。
ボールの位置は何種類かありますが、MX ERGOのように右手の親指で操作するようになっているのがボールマウスでは一般的なボール位置といえます。
マウス本体の真ん中(先端)にボールが付いており、人差し指や中指でボールを操作してカーソルを動かすようになっているマウスもあります。
が、これはどちらかというと動画編集者のような方向けの設計と言えます。
なんでも再生時間の調整でのホイール操作がボール周辺についていて、このホイール操作がとても作業効率を上げるのだとか…
これは筆者も同感ですが、普通のパソコン操作は親指操作の方がしっくりきます。
このような観点からもMX ERGOはお勧めです。
一般的なマウスからボールマウスに乗り換える場合など、普通のパソコン操作を行うならボール位置は左側(親指側)についているものを選びましょう。
トラックボールマウスについて熱く語り過ぎました…
ではMX ERGOをお勧めしたいポイントについて書いていきますね!
MX ERGOのお勧めポイント①:20°の傾斜角
MX ERGOにはマウス本体の角度を簡単に調整できる機能が付いています。
一般的なマウスはマウス本体を握った時に手首が水平になりますが、MX ERGOは本体を右側に20°傾けることができるので、より自然な形でマウスを握ることができます。
百聞は一見に如かずなので、傾斜0度と傾斜20°の違いをギャラリーにしました。
- 傾斜角度0度
- 傾斜角度20度
- 傾斜角度0度
- 傾斜角度20度
この20度が絶妙で、手を机に置いたそのままの状態でマウスが握れるんです。
一般的なマウスなら手首が少し内側に向きますが、それが無くなります。
これがねぇー楽なんですよ。想像以上に。
これはトラックマウスだからこそできる角度だとも言えますが、なぜ今までこの角度で使えるボールマウスが無かったのか不思議の思うくらいこれが良いのです。
1度MX ERGOを使ったら他のマウスに乗り換えられない理由の1つでもあります。
ポイント
この角度調整はLogicoolのもう1つのボールマウス「M575」にはありません。
参考
公式サイトは0~20度という表記でしたが、正確には“0度か20度の角度”です。
12度といった調整は出来ません。が、20度がドンピシャに良いので問題なし。
MX ERGOのお勧めポイント②:ボタンの多さ
MX ERGOのボタン数はスペック上で合計8個です。
このボタンの多さも筆者がMX ERGOの購入を決めた理由の1つです。
話題にならないのですが、ボールマウスはボタン数が少ないモデルが多いのです…
MX ERGOは8個ボタンを備えており、M575よりも更に3つ増えています。
ボタン数8個はトラックボールマウスの中では断トツの多さです。
ポイント
マウス中央の1,2と番号が書いてあるボタンは、デバイスの接続先を1クリックで切り替えるためのものです。筆者は1番がデスクトップ、2番がノートパソコンという感じで使っています。
更に6つのボタンに好きなキーをボタン割り当てすることが可能!
ハイエンドマウスとしては今や当たり前の機能ですが、これが便利です。
Logicool製のハイエンドモデルのマウスやキーボードは「Logicool Options」というソフトを公式サイトからダウンロードでき、これを使って対応デバイスの様々な設定を行うことができます。
外部リンク
【公式サイト:Logicool Options】
Logicool Optionsカスタマイズ ソフトウェアをダウンロード
気になる方は一度どのようなものか入れてみるのもアリかな?
MX ERGOのボタン割り当て機能はゲーミング用マウスとしてもおすすめできます。
ボールマウスはクリック時にぶれが発生しないので、FPSにも良いのだとか!
ボタン割り当て機能でコピペも一瞬!
MX ERGOのボタン割り当てですが、キーボードのショートカットも使えます。
筆者の場合は、ブログで特にHTMLコードを編集するのに“コピペ”を多用します。
そこでMX ERGOのボタン割り当てをコピペ用に変更したところ、ブログの作業効率が大幅に向上しました。
具体的にはコピペに特化すべく、Windowsで使えるショートカットキーである
全て選択(キーボードのCtrl + Alt)
コピー(キーボードのCtrl + C)
ペースト(キーボードのCtrl + V)
を各ボタンに割り当てています。(先ほどの画像の1,2,3番にそれぞれ割り当て)
伝わりにくいと思うので、実際の操作感を見てもらえるGIFを作りました。
全て選択→ペースト
ドラッグ箇所をコピペ
という流れで作業している様子です。凄く速くない?←
もはや右クリックのコピー(切り取り)と貼り付けは使いません。
MX ERGOのお勧めポイント③:Flow対応機種
LogicoolのFlowという機能がとにかく凄く、MX ERGOはこれに対応しています。
Flowとは簡単に言えば、複数のデバイス間をシームレスに移動できる機能です。
Logicoolの公式サイトでは以下のように説明されていました。
Flow対応マウスとキーボードを使って複数のパソコンをコントロール – カーソルを画面の端に移動させるだけで2台のパソコン間で作業ができます。簡単なコピー&貼り付け操作で、テキスト、画像、およびファイルをパソコン間で転送できます – Windows®とmacOSオペレーティングシステムの間でも。
Flow対応キーボードはFlow対応マウスに従い、パソコン間を移動します。つまり、1つのスムーズなワークフローで、複数デバイス上でタイピングができます。
こちらも百聞は一見に如かず。
実際にデスクトップPCとノートPCをFlowで繋いでみた時のGIFを用意しました。
WindowsとMacを2台並べてまるでマルチディスプレイ化したように使えます。
クリップボードが共有になるので両者でコピペも可能です。
やばいですね。ハイ。
Flowは先ほど触れた「Logicool Options」というソフトから簡単にセットアップすることができます。同じWiFiに繋いでいるデバイスで使用でき、設定は不要です。
今回はデスクトップがUSBレシーバー接続。
ノートパソコンがBluetooth接続でしたが、問題なく機能しました。
購入前に知りたい!MX ERGOのあれこれ
筆者がMX ERGOを購入する時に気になっていたポイントをまとめます。
書いている内容は以下です。
- MX ERGOの大きさはどれくらい?
- MX ERGOのクリック音はどんな音?
- MX ERGOとパソコンを接続する方法
- MX ERGOのバッテリーについて
- MX ERGOのボール部分の掃除方法
ここら辺が購入前に筆者が気になっていた点です。
なんせマウスに1万円以上かけるわけですから…色々気になります。
では早速いってみましょー・w・
MX ERGOの大きさはどれくらい?
公式スペックではMX ERGOの大きさは
高さ:132.5mm
幅:99.8mm
奥行き:51.4mm
重量259g(底面の金属プレートあり)
となっています。
大きさのイメージとしてはiPhone SEと同じくらい。
重さはiPhone13(約170g)よりも少し重たいイメージです。
- iPhone SEとの大きさ比較1
- iPhone SEとの大きさ比較2
MX ERGOは一般的なマウス、ボールマウスに比べると少し大きめといった感じです。
これくらいなら手が小さい方でも問題なく使用できる範囲の大きさだと思います。
MX ERGOのクリック音はどんな音?
MX ERGOのクリック音はカチカチッという音です。
静音マウスではないので一般的なマウスと同じような音がします。
文章では分からないと思いますので、クリック音をとりました!
クリック音の参考にしていただければと思います。
MX ERGOの実際のクリック音
左クリックを5回してから、右クリック5回です。
クリック音に関しては良くも悪くも普通です。
MX ERGOとパソコンは何で繋げる?
MX ERGOとパソコンを接続するには以下の2つの方法が使えます。
- USBレシーバー接続:Logicool Unifying Receiverを使用
- Bluetooth接続:ノートパソコンなどBluetoothがあればレシーバーは不要
レシーバーは本体に1つ付属してきました。
Flow機能を使う場合は両デバイスにそれぞれマウスを接続する必要があります。
Bluetooth機能が2台ともない場合はレシーバーを追加で購入する必要があります。
レシーバーは1000円ちょっとで単品購入できました。画像は単品購入時のもの。
MX ERGOのバッテリーの充電方法と持ち時間
MX ERGOにはリチウムポリマー電池(500mAh)が内蔵されています。
M575は乾電池式なので、さすがハイエンドモデルといった感じ…
乾電池は買い忘れが多く、ストックするのも面倒ですがMX ERGOはスマホと同じ!
充電するにはマイクロUSBケーブルをマウスの先端に挿すだけでOK!
USBの形状はMicro USB Type-Bとなっており台形のアレです。充電線は130㎝のものが本体に1つ付属してきましたが、別のケーブルでも問題なく充電できます。
バッテリーは充電を忘れるほど長持ちする!
MX ERGOの内臓バッテリーは、バッテリーの持ちが凄くいいです。
公式サイトによると長持ち、高速充電により以下のスペックを誇っているとのこと。
バッテリーの充電具合 | 使用可能時間(目安) |
フル充電 | 120日(2,880時間) |
1分間の充電 | 24時間 |
“1分”の充電で1日。フル充電で4カ月使えます。
実際使ってますが、そんな感じです。いつ充電したか忘れるくらい長持ちします。
マウスの電源をONにして放置していてもそんな感じ…凄い。
MX ERGOのボール部分の掃除方法
ボールマウスは意外とボールが入っている部分に汚れがたまります。
使っているとボールの転がりが重たくなってきたり、違和感が出るのです。
そんな時は一般的なマウス同様、少し分解して拭いてあげれば復活します。
MX ERGOのボールを掃除するのは簡単で、マウス下の金属プレートを取ってそこから棒状の何かでボールを押し出してあげるだけでOK!
あとは乾いた布でボールとセンサー部分を拭いて汚れを取ればOK!
ティッシュでも良いですが、メガネ拭きが綺麗に拭けてお勧めです。
トラックボールマウスのデメリット
ここまで良いことばかりを紹介してきたボールマウスですが、欠点もあります。
ボールマウスを使うにあたり、デメリットとされているのが以下の2点です。
- 操作に慣れるまでに時間がかかる
- 画像編集など、細かい作業が苦手
ボールマウスのデメリットその1
1つ目のデメリットは慣れるまでに時間がかかることです。これは仕方ないですが…
筆者は、ボールを転がしてのカーソル操作に慣れるまでに約1週間かかりました。
毎日5時間くらいの作業時間だったはずですので、20時間くらい使っていれば慣れたという事になります。
正直使い慣れるまでは結構イライラしてしまいますが、パソコンのブラインドタッチを覚えるよりも全然簡単に慣れます。
ボールマウスのデメリットその2
2つ目のデメリットが精密作業が苦手というところです。
これはマウスの操作に慣れてくるとそんなに気にならない問題だったりもしますが、一般的には本体ごと移動してカーソル移動するマウスに比べると、ボールを転がしてカーソル移動するボールマウスは細かい作業が苦手とされています。
が、MX ERGOにはこのデメリットに対応する機能が付いています!
MX ERGOは1クリックで感度調整が可能!
MX ERGOには1クリックでプレシジョンモードというモードに切り替えられる機能があります。何かというと“精密モード”です。
ボールマウスはボールを転がしてマウスカーソルを動かすので、細かいカーソル操作が苦手とされています。こういったデメリットに対応する機能です。
マウスに設定したボタン(デフォルトではボール上のボタンに設定)を押せばマウス感度がグッと下がり、ボール操作に対するカーソルの動きが緩やかになります。
普通に使う時はある程度の感度がないとカーソル移動が大変です。
逆に画像の加工などの精密作業時にはこの感度が高すぎる状態なわけです。
マウス感度の切り替えを1ボタンで!というのは流石Logicoolというところです!
筆者の場合はこの精密モードだとあまりにも感度が低すぎたので、別のオプションを使って任意の感度に1クリックで切り替えれるように設定しています。
ボールマウスでは精密作業がしにくいのは事実ですが、MX ERGOの場合はマウス感度についてそれほど問題視する必要はないです!
総評:MX ERGOは最強のボールマウス
以上、MX ERGOの実機レビューでした。
長くなったのでおすすめポイントをおさらいします。
- ボールマウスはどこでも使用できる
- MX ERGOの20°の傾斜は疲労軽減かつ使いやすい
- MX ERGOのボタン数は計8個(ボールマウスの中では断トツ)
- Logicool Optionsで様々なボタン割り当てが簡単にできる
- ボタンにショートカットキーを割り当てればコピペも一瞬
- LogicoolのFlowによって複数デバイスでシームレスに使用できる
- 現在筆者は6000時間以上使用し、他のマウスは検討していない←
発売から数年経っていますが、MX ERGOの後継マウスはまだ出ていないようですので、MX ERGOは現在最強のトラックボールマウスと言っても過言ではありません。
この記事だけではMX ERGOの機能や魅力の全ては到底伝えきれません。
筆者は既に6000時間以上MX ERGOを使用し、この記事を書くのにも使用していますが、不満な点はなく大満足の1品です。
…と言いたいところですが、そういえば使用時間が4000時間を超えた頃に調子が悪くなったことがあります。
クリックのセンサー部分の接触不良だったらしく、接点復活材で治しました。
接点復活材をかけてからは絶好調に戻っています。
ハイエンドマウスと言えどもいずれはダメになる日が来ると思いますが、MX ERGOは潰れたら即日買い直す予定です( ´艸`)
このマウスに変更してから作業効率が上がりましたので、これはもう必需品w