パソコンの電源ユニットを単体で通電確認する方法を詳しくまとめました。
簡単に動作確認を行う方法として、電源ユニットの端子をショートさせてファンが回るかどうかを確認する方法が有名なので、このやり方を中心に書きました。
中古の電源ユニットの購入、販売時や、自作パソコンの電源が入らない時などに参考にしていただければと思います。
端子をショートさせる方法の他、通電テスターなどについても触れています。
この記事の目次
パソコンの電源ユニットの動作確認方法
自作パソコン歴が10年を超えた筆者が解説する電源ユニットのテスト方法です。
電源ユニットはその性質上、中古品の状態で市場に出回っていることも多く、単体でテストしたい人も多いことでしょう。また、自作パソコンの作成時に電源が入らないとなると、電源ユニット自体に問題があるのかどうかを確認したい時があります。
早速ですが、電源ユニットの動作確認方法には以下のような方法があります。
電源ユニットの動作確認方法
- 電源ユニット専用のテスターを使用して電圧を測る。
- 電源ユニットの端子をショートさせて冷却ファンが回るか確認する。
- 実際にパソコンに取り付けて電源が入るかどうか確認する。
- (ある場合)マザーボードの通電チェックランプを確認する。
簡単に言えばファンが回って電圧がきちんと出ていればOKということになります。
パソコンに載せて確認できる環境ならそれほど苦労しないと思いますので、当記事では電源ユニット単体で通電テストを行う方法を主に解説していきます。
では早速参りましょう・w・
電源ユニット用テスターを使って動作確認する
電源ユニットのみで動作確認をする方法の中で、一番簡単で確実なのが電源ユニット専用のテスターを使う方法です。
定番のテスターが「POWER SUPPLY TESTER」という以下(↓)のテスターです。
各メーカーから販売されているようですが、大きな差はありません。
このテスターを電源ユニットの各配線に繋ぐことで配線の電圧を測定でき、動作確認ができるというものです。中古品のオークションなどでは電源ユニットの動作確認の証拠としてこのテスターの画像が添えられていたりすることもありますね。
このようなテスターがあれば「±12Vや±5V、+3.3V」という電源ユニットの出力を簡単に確認することができます。値段も意外と安く1000円ちょっとなので1台あれば便利です。24/20ピンの両方に対応している点もGOODですね!
ただ、業者でもない限りは年1回も使わないと思います...。
そこで電源ユニットをショートさせて簡単な動作確認を行う方法をご紹介します。
配線コードさえあればタダで、すぐにチェックできる方法なのでお勧めです。
電源ユニットをショートさせて動作確認する
筆者は本格水冷の自作パソコンをメインで使っているのですが、冷却水漏れが原因で今までに2つの電源ユニットを水没させて壊した経験があります...。
それは置いておいて、いずれのユニットも電源ON時に冷却ファンが回りません。
壊れている電源ユニットは基本的に電源を入れても冷却ファンが回らないのです。
なので「冷却ファンが回る ≒ 基本動作OK!」という感じになります。
電源ユニットは端子をショートさせることで、電源ユニット単体でファンを回すことが可能です。この方法で電源ユニットの動作をチェックしましょう。
用意するもの
電源ユニットのファンを回すために最低限必要になるものは以下です。
- 電源ユニット
- ACアダプター
- ATXメインコネクタ(マザーボード用の電源配線)
- 配線をショートさせるための配線
この4点があれば電源ユニット単体で動作確認を行うことが出来ます。
今回は以下のようなカプラーオンで該当の端子をショートさせる事ができるキットを使いますが、適当な配線コードを自分で用意しても一応いけます。(後述)
これは確か水冷ポンプを買ったときに動作確認用に付属していた物です...。
調べたところこのキットも売っていましたが、見ての通り配線をショートさせるだけのものです。適当な配線があればショートさせられるので必須ではないです。
正直これを買うなら、先ほど紹介したテスターを買った方が色々良いと思います...
長くなりました。
では実際に電源ユニットをショートさせて動作確認してみましょう!
電源ユニットを単体で起動する手順
電源ユニットの端子をショートさせて起動し、ファンを回す手順は以下です。
- 電源ユニットの電源をOFFにしておく。
- コンセントからACアダプターを繋ぐ。
- ATXメインコネクタ(マザーボード用配線)を接続する。
- ATXメインコネクタの「PS_ON」と「GND」をショートさせる。
- 電源ユニットの電源をONにする。
- 冷却ファンが回るか確認する。
手順は簡単ですが、画像付きで詳しくご案内します。
まず電源ユニットの電源をOFFにしておきます。
(-の方がON、〇の方がOFFです。)
ACアダプターを繋ぎます。
次にマザーボード用の配線を繋ぎます。一番ゴツい配線ですね。
ATXメインコネクタの「PS_ON」と「GND」を繋いでショートさせた状態にします。
ポイント
ショートさせる端子は24ピンと20ピンで異なります。
24ピンの場合:16番(PS_ON)と18番(アース)
20ピンの場合:14番(PS_ON)と15番(アース)です。
ここで書くとややこしいので、詳しい配線箇所については後述します。
ショートさせたら電源ユニットの電源をONにします。
この状態で冷却ファンが回っているかどうか確認しましょう。
画像の電源はすでにお亡くなりになっているので冷却ファンが回りません。
(少し分かりにくいですが、上の画像は電源ONです。)
ファンが回ればとりあえずの動作はOK!
正常な電源ユニットはこの状態で冷却ファンが回ります。
電源をONにした時に「カチッ」とリレーの作動音が鳴り、ファンが回転すれば基本的な動作に問題はない状態とみて良いと思います。
ハイブリッドモードでもファンは回る?
高級電源ユニットの中には「ハイブリッドモード」と呼ばれる機能が付いているものがあります。今回はSeasonicというメーカーの「SS-1050XP3」という電源ユニットを例にしましたが、このモデルにもハイブリッドモードが付いていました。
ハイブリッドモードとは低負荷時に冷却ファンの回転を停止し、静音する機能です。
この機能についての補足というか、分かったことです。
今回試してみたところ、ハイブリッドモードであっても端子をショートさせた状態で電源ユニットの電源をONにすれば一瞬だけファンが回ることが確認できました。
機種にもよると思いますがハイブリッドモードを搭載していてもショートで動作確認することが出来たので報告です。
ATXメインコネクタのピン配列
後半はATXメインコネクタ(マザーボード用配線)のピン配列についてです。
先程はこのコネクタの端子をショートさせて、電源ユニットの動作確認を行う方法を紹介したので、ここではメインコネクタの各ピンの配置についてまとめておきます。
ピンの番号は画像のように、コネクターカプラーの爪の部分を上に向けて、下段から右方向に数えていきます。
今回繋いでショートさせたのは16番と18番ですが、それはPS_ONとGNDです。
20PINメインコネクタのピン配列
PIN1 | +3.3V | PIN11 | +3.3V |
PIN2 | +3.3V | PIN12 | -12V |
PIN3 | GND | PIN13 | GND |
PIN4 | +5V | PIN14 | PS_ON |
PIN5 | GND | PIN15 | GND |
PIN6 | +5V | PIN16 | GND |
PIN7 | GND | PIN17 | GND |
PIN8 | PWR_OK | PIN18 | -5V |
PIN9 | +5VSB | PIN19 | +5V |
PIN10 | +12V | PIN20 | +5V |
24PINメインコネクタのピン配列
PIN1 | +3.3V | PIN13 | +3.3V |
PIN2 | +3.3V | PIN14 | -12V |
PIN3 | GND | PIN15 | GND |
PIN4 | +5V | PIN16 | PS_ON |
PIN5 | GND | PIN17 | GND |
PIN6 | +5V | PIN18 | GND |
PIN7 | GND | PIN19 | GND |
PIN8 | PWR_OK | PIN20 | -5V |
PIN9 | +5VVSB | PIN21 | +5V |
PIN10 | +12V | PIN22 | +5V |
PIN11 | +12V | PIN23 | +5V |
PIN12 | +3.3V | PIN24 | GND |
電源ユニットをONにするには、上記の表にあるPS_ONとGNDを繋げばOKです。
参考
この辺は「電源ユニット ピンアサイン」で検索してもらえれば色々出ます。
手元にある適当な配線を使って動作確認する
危険性やトラブルのリスクを考えると非推奨ではありますが、ここまで紹介してきた電源ユニットのテスターや、短絡キットを購入するのが面倒!届くまで待てない!!という方は、配線を自前で用意して先ほどの表にある「PS_ON」と「GND」にあたる端子部分を繋いでも電源ユニットの動作確認は一応できます。
あまり太いと銅線が入らないので、大きくても0.5sqくらいの太さの配線を用意し...
ATXメインコネクタ(マザーボード用配線)の「PS_ON」と「GND」に該当する部分を繋げばOKです。非推奨ですが、どうしても急ぐ時に使える手ですね。
まとめ
以上、長くなりましたが電源ユニットを単体で動作確認する方法についてでした。
電源ユニットの動作確認をするのに一番確実なのはテスターを使う方法ですが、端子をショートさせてリレーの作動音や、ファンの回転を確認することでも大まかな動作確認が可能です。
パソコンから降ろすのが面倒な時はこのような方法で確認しましょう!
マザーボードに通電チェックランプがあるなら、電源ユニットを組んで配線した段階で電源ユニットの通電確認ができますが、単体でテストとなると結構面倒ですね~。
パソコンの部品で単体テストが面倒なのは他のパーツも同じか( *´艸`)
ではではこのへんで・w・