Wordpressのプラグインのインストール数に上限はありませんが、入れ過ぎるとどうなるのでしょう?
プラグインの入れ過ぎはサイトが重くなったり、プラグイン同士が干渉したり、セキュリティが貧弱になったりと様々なデメリットがあるとされています。
中でも気になるのがサイトスピード。プラグイン過多でどれだけサイトが重たくなるのか…実際にプラグインを100個インストールして色々検証しました!
プラグイン数が0個の時と100個の時でどの程度差が出るのか比較しました。
この記事の目次
WordPress:プラグインを入れ過ぎた時の弊害
Wordpressには便利なプラグインが星の数ほどあり、無料でも十分な性能を発揮してくれるのでついつい入れ過ぎてしまいがちです。
前回の記事で「プラグイン数の目安」について考察し、プラグイン数が25個を超えると"多い"という結論に至りましたが、今回100個プラグインをインストールすればどの程度サイトが重たくなるのかを検証しました。
前回の記事と被りますが、プラグイン過多には以下のようなデメリットがあります。
- サイトが重たく、遅くなる。
- 機能が多くなり、管理しにくくなる。
- プラグイン同士が干渉する可能性が増える。
- セキュリティが貧弱になる可能性がある。
この中でも特に気になるのは「サイトスピード」ではないでしょうか?
プラグインの干渉やセキュリティについては問題が発生しない限り気にならないものですが、サイトスピードはSEOにも重要で自分にも影響大なので気になります。
ということでプラグインを実際に100個インストールした後、サイトの読み込み速度を計測してみました!
プラグインを100個入れて検証してみる
有効インストール数が多い人気プラグインを100個選んで有効化していきます。
インストール数が50個を超えたあたりからプラグイン同士が干渉してエラーが多発しました。これもプラグインが多すぎる時のデメリットの1つですね。
インストール作業に問題があるプラグインを停止し、再度100を目指してプラグインをどんどん追加していきます!
時間がかかりましたが、プラグイン数が無事に100に到達しました。
プラグインが100個もあると、管理画面も凄いことになります・w・
特に左のサイドバーはもう何が何だか分かりません…
これがプラグイン過多によるデメリットの1つ"サイトの管理がしにくくなる"です。
準備が整ったところで、早速サイトの表示速度を測ってみましょう!
この時すでに管理画面のページ移動に7秒~9秒ほどかかるようになっています。
100個もプラグインがあると測らなくても体感できました…遅すぎて使い物になりませんが、測りましょう。
プラグイン過多時のページ速度の計測
今回はローカルサーバーなので外部サービスは使えません。
そこでChromeのデベロッパーツールを使い、ページのロード時間を計測しました。
計測環境メモ
- Chromeのデベロッパーツールを使用
- サーバー、ブラウザキャッシュは無効
- 最低限のテキストページ、画像は無し
- プラグイン数が0個、100個の時でそれぞれ30回計測
プラグインが0個の時
プラグインなし(0個)の時の計測結果がこちらです。
およそ300ms(0.3秒)でページの読み込みが完了しています。
管理画面を含むページのスピードは快適でノーストレスです。
プラグインが100個の時
プラグインを100個有効化した時の計測結果がこちらです。
ページの読み込み完了までに9.75秒もかかりました。
ページが開くまでの時間は5秒程度、完全読み込みに10秒という感じです。
読み込まれるファイル数がかなり増えていることも分かりますね。
計測結果のまとめ
プラグインの入れ過ぎてページ速度が超遅くなったことは一目瞭然ですが、念のため30回読み込みを繰り返し、各項目の平均値を取りました。
しかし、大きなバラつきはありませんでしたのでこのデータは割愛します。
見やすいように先ほどの計測結果を表にしました。
計測結果早見表 | ||
Chromeの項目 | プラグイン数:0 | プラグイン数:100 |
requests | 10 | 113 |
transfarred | 337kB | 2.6MB |
resources | 334kB | 2.8MB |
Finish | 294ms | 9750ms |
DOMContentLoaded | 243ms | 6400ms |
Load | 285ms | 6790ms |
ページの読み込み完了時間は「Finish」の項目です。
プラグインが0個の時は0.3秒ですが、プラグインが100個になると9.75秒もかかる結果に。約33倍遅くなりました・w・
プラグインに使用するファイルの読み込みが増えた為、リクエスト数や転送データ量も桁違いに増えていますね。
プラグインの入れ過ぎはデータベースにも影響
ページの読み込み速度だけではもったいない?のでデータベースのテーブル数についても計測しました。
データベースは簡単に言うとWordpressの色々なデータを整理して保存している場所で、データベースを必要とするプラグインをインストールした時点でプラグインごとに専用のテーブルが作成されます。
プラグインを入れ過ぎるとこのデータベースが肥大化し、瞬時にデータを取り出すことができなくなっていくので、サイトスピードにも影響することがあります。
プラグインが0個の時
プラグインが0個の時、テーブル数は49個でした。
(テーマや過去にインストールしたプラグインのテーブルも含む)
プラグインが100個の時
プラグインを100個入れた後はテーブル数が250になっていました。
Wordpressに使用されるデータベースのテーブル数がプラグインによって増えており、これもプラグイン過多によるデメリットと言えそうです。
自動作成されるテーブルはプラグイン削除後も残る
そして残念なのが、プラグインのインストール時に作成されたテーブルはプラグインを削除しても残るということです。
中にはアンインストールの時に自動的にテーブルも削除してくれるプラグインもありますが、基本的には設定などのデータを保持するためにテーブルを残したままにするプラグインが多いようです。
今回100個インストールしたプラグインを全削除しましたが、テーブル数は227個となっており、23個しか減っていませんでした。
なお不要になったテーブルを削除するには「WP-Optimize」という最適化プラグインを使えば削除することができます。
プラグインの容量(サイズ)は気にしなくてOK
最後に、プラグイン自体の容量はそんなに大きくないようです。
今回人気のプラグイン(高機能)を100個入れてみましたが、それでもプラグインが入るフォルダである「plugins」フォルダの容量は1GB以下でした。
サーバーの容量が気になる方は朗報ですね・w・
もっともプラグインを入れ過ぎて容量がいっぱいになることを懸念する人は少ないと思いますが、プラグインを入れる際に容量は気にしなくて大丈夫です。
まとめ
以上、Wordpressのプラグインを入れ過ぎるとどうなるかの検証結果でした。
少し読みにくかったと思いますのでポイントをまとめておきます。
ポイント
- プラグイン数0→100でページ速度は33倍悪化
- プラグイン数0→100でDBテーブル数は5倍に増加
- 同機能のプラグインを入れると干渉しやすい
- プラグイン過多は管理画面も使いにくくなる
- プラグインが自動生成したDBテーブルは残る
- プラグイン数の上限は15~20個を目安にするとよい
プラグインを100個入れてみた結果…サイトがストレスたっぷりになりました!
今回はローカル環境なのでサーバーエラーは発生しませんでしたが、実際のサーバーだともっと遅くなりタイムアウトなども頻発しそうです。
そもそも管理画面の移動に10秒もかかれば使い物になりませんがね・w・
プラグイン数の目安については前回の記事(ページ上部のリンク)で自分なりに考察していますので、気になる方はそちらも是非ご覧ください。
プラグインを増やそうとして増やす人はいないですが、実際にどれだけサイトが遅くなるのかの参考にしていただければ幸いです。