初期状態のWordPressに入っているプラグインの1つに「Hello Dolly」というプラグインがありますが、このプラグインはいったい何者なのか?
筆者はXAMPPにWordPressをインストールした時に気が付きました。
プラグインの説明には“これはただのプラグインではありません”とあります...
「Hello Dolly」がインストールされている理由は?必要?削除しても良いの?
ここら辺をいろいろ勉強してきたので記事にします。
この記事の目次
WordPressプラグイン「Hello Dolly」とは?
WordPressのインストール時に初めから入っているプラグインの1つ、Hello Dolly(ハロードーリー)とは果たして何者なのか...?
さっそくプラグインの公式ページを確認してみます。
これは単なるプラグインではありません。Louis Armstrong が歌った最も有名な二つの単語「Hello, Dolly」に要約された、世代全体の希望と熱意を象徴しているのです。このプラグインを有効化すると、すべての管理画面の右上に Hello, Dolly からの歌詞がランダムに表示されます。
アートワークを提供してくれた Sanjib Ahmad に感謝します。
“これは単なるプラグインではない”とありますが、WordPressにインストールされている理由がハッキリと書かれていません...。
そもそもプラグインのアイキャッチ画像の人は誰なのか?開発者の方??
調べてみると、この画像の人物は「ルイ・アームストロング」という人で、かの有名なビートルズの全米1位連続記録をこの曲“ハロー・ドーリー!”で打ち破った有名な人物だそうです。プラグインの開発者とかではなく、まさかの歌手でした...。
で、「Hello Dolly」は、凄い人の超有名な曲の歌詞がWordPressのダッシュボードに表示されるという素敵なプラグインのようです。ん?他に機能は?
HelloDollyの機能
「Hello Dolly」について少し知ったところで、プラグインの機能を確認します。
とりあえずインストール済みプラグインからプラグインの説明を確認してみます。
説明はプラグインの公式ページにある内容とほぼ同じ説明。
プラグインの設定画面らしいものはどこにも見当たりません。
そして、プラグインを有効化した状態でWordPressの管理画面に戻ると、画面の右上に英語が表示され、画面遷移した時に英語がランダムに変更されるようです。
シンプルな英文が表示されますが、これは「ハロードーリー!」の歌詞らしいです。
一応ブラウザでHTML要素を検証してみたのですが、ただのテキストでした。
「Hello Dolly」の機能はWordPressの管理画面にハロードーリー!の歌詞(英語)の一部をランダムに表示する“だけ”です。
残念ながら?「Hello Dolly」にはこれ以外の機能はありません!
プラグインの場所
ますます気になる「Hello Dolly」のソースコードを確認するため、プラグインが保存されている場所を探してみます。

HelloDollyの本体はhello.phpというファイルのみ
プラグインといえば普通はプラグインの名前が付いたフォルダに格納されているはずですが、Hello Dollyというフォルダは見当たりません。
どうやらhello.phpがHelloDollyのプラグイン本体の様子です。
phpファイル1つだけで構成されたプラグインということで、結構ビックリ。

HelloDollyには言語ファイルも存在する
「hellodolly」と絞り込み検索をかけると、hello.phpの他に「hello-dolly-ja.mo」と「hello-dolly-ja.po」という言語ファイルがヒットします。
そういえば公式ページに「43ロケールに翻訳されています。」と書かれていました。
プラグインのソースコード
hello.phpを直接開いても確認ができますが、ダッシュボードからプラグインのソースコードを確認してみました。
ソースコードのボリュームはちょうど100行!
プログラム内に画面に表示する歌詞がテキストでべた書きされています。
(変更すると好きな文字を出すことができるよ!)
歌詞に問題があると議論されることがあり、少し変更されている模様。
Hello Dollyがインストールされている理由
機能はダッシュボードにテキストを表示するだけ、プラグインの本体も1つ。
謎が多すぎるプラグインが初めからインストールされている理由を調べました。
実はこのプラグイン「Hello Dolly」を開発した人はMatthew Mullenwegという方で、WordPressの共同創設者らしいです!
Hello Dollyの導入日は2004年5月になっていますが、これはWordPress1.2で初めて“プラグイン”という画期的な機能が導入された時期と同じ時期です。
「Hello Dolly」はWordPressで一番最初に作成されたプラグインであると同時に、一番最初に導入されたプラグインでもあるのです。
そんな意味もこめて「これは単なるプラグインではありません。」と説明のはじめに書かれているのですね。深い…
Hello Dollyがプラグインとして初めて作成されて以来、以降のWordPressのすべてのバージョンにインストールされ続けています。
余談ですが、WordPress1.2のコードネームは「Mingus」です。
これはハロー・ドーリーを歌った先述のルイ・アームストロングのバンドで活躍したチャールズ・ミンガスの「Mingus」が由来と思われます。
ここまで知ってしまうとHelloDollyは単なるプラグインではなくなってきた!
ソースコードが100行ピッタリで終わっているのも特別感満載でイイ!←
とはいえ「Hello Dolly」の実用性は皆無です。。。
結論:Hello Dollyは削除した方が良い
WordPressの伝説として意味のあるプラグインですが、実際にサイトを運営するのに「Hello Dolly」の機能は全く必要ありません。
テストサイトならまだしも、本番環境に「Hello Dolly」は不要です。
なので、サイトにまだ「Hello Dolly」が入っているなら今すぐ削除しましょう。
プラグインの削除を推奨する一番の理由はセキュリティです。
「Hello Dolly」は、初めから全てのバージョンのWordPressに入っていることから、ハッカーのターゲットになることが多いプラグインです。
実際、悪意のあるコードを隠す場所として人気の場所になっているのだそう。
プラグイン数が多いとサイトが重くなったり、セキュリティホールがあるプラグインを狙われる可能性が高くなってしまうので極力減らすのが定番です。
これから自分でプラグインを開発したい人なら、ソースコードを眺めるとプラグインの勉強になるかもしれません。...が、WordPressの初期の初期、Ver1.2の時に作成されたプラグインは現行プラグインの開発の良い例にはならないでしょう。
Hello Dollyの削除方法は他のプラグインと同じで、「インストール済みプラグイン」から無効化し、そのまま削除すればOKです。
まとめ
WordPressでプリインストールされているプラグインの1つである「Hello Dolly」についてでした。この記事のポイントは以下です。
ポイント
- Hello Dollyの機能は英語の歌詞を管理画面に表示するだけ。
- Hello Dollyを使うメリットは皆無なので不要。削除してOK!
- Hello DollyはWP初のプラグインで、名前の由来は有名な曲から。
- ソースコードはたった100行、最もシンプルなプラグインと言える。
レンタルサーバーにWordPressをインストールした時にはこのプラグインは入っていなかった気がするのだけれど…もしかしたらサーバー会社によっては「Hello Dolly」がインストールされないようになっているのかもしれませんね。
WordPressの開発陣の間でも度々このプラグインをインストールし続けるべきか議論が行われているらしいです。「Hello Dollyは全く必要ない」に1票。
ではではこのへんで・w・
外部リンク
■本記事の参考サイト
・What is the Hello Dolly WordPress Plugin Anyway? | ITX
・Wikipedia:WordPress|ルイ・アームストロング |チャールズ・ミンガス