WordPressのおすすめ、または必須プラグインとして色々なサイトで紹介されている「WebSub(旧:PubSubHubbub)」は結局要るのか?いらないのか?
当記事ではプラグインの処理内容と共に、WebSub(旧:PubSubHubbub)の効果と必要性について考察します。
記事の後半ではプラグインに使用されているハブや、“いらない”とされる理由についても触れています。
結論:プラグインにデメリットはほぼありませんが、SEO効果は不明瞭です。
この記事の目次
WebSub(PubSubHubbub)プラグインの必要性
WordPressの色々な更新情報(feed)をリアルタイムでハブに通知するプラグイン、WebSub(FKA.PubSubHubbub)のSEO効果と必要性についてです。
この記事をお読みの方は既にご存じかと思いますが、WebSub(FKA.PubSubHubbub)というプラグインは有効化するだけで機能し、特別な設定は基本必要ありません。
特別な設定を必要とせず、インストールして有効化しておくだけでSEO効果がある...
そんな夢のようなプラグインということでWordPressの必須プラグインとして随所で紹介されていますが、肝心の処理内容について触れているところは多くありません。
そこで当記事では、プラグインの処理内容を元にWebSub(FKA.PubSubHubbub)が本当に必要かどうか?要るのか要らないのか?を考察していこうと思います。
では早速参りましょう・w・
WebSub(FKA.PubSubHubbub)の効果
WebSub(FKA.PubSubHubbub)の効果やメリット・デメリットについては他のサイトでも紹介されている通りですが、おさらいしておきます。
WebSub(FKA.PubSubHubbub)がSEOに効果アリとされている理由は以下です。
メリット
- サイトの更新情報をリアルタイムでハブに通知できる
- ハブへの通知により、クローラーの訪問&インデックスを促進する
- 高速インデックス化により、スクレイピング(記事パクリ)を防止する
メリットとされているところが今回の焦点です。SEO効果は?本当に必要なのか?
対して、WebSub(FKA.PubSubHubbub)のデメリットとされている内容は以下です。
デメリット
- 更新通知が増える(スパムになる可能性は皆無でRSSだと普通)
- 他プラグインと干渉する可能性がある(プラグイン数が増える)
処理内容は後述しますが、各feedページにハブのLinkタグを追記して通知するだけのようなものなので、大きなデメリットはありません。
特記するようなデメリットがないので、いる?いらない?の判断が難しいですね。
ということでプラグインの処理内容を詳しく確認します。
WebSub(FKA.PubSubHubbub)の処理内容
WebSub(FKA.PubSubHubbub)の役割は、サイトに何らかの更新アクションがあった時に、その都度サイトの更新情報を登録しているハブに通知することにあります。
では、実際にどのような処理を行っているか?
プラグイン内のphpファイルを開いてソースコードを確認してみました。
WebSub(FKA.PubSubHubbub)はサイトの更新情報をハブに送信して、インデックスを促進すると言われますが、使われる更新情報はfeed(フィード)のようです。
フィードは、フィードリーダーがサイトにアクセスし、新規コンテンツを自動的に探し出し、その情報を別のサイトに投稿し更新できるようにする特別なソフトウェア機能です。この機能により、ユーザーは異なるブログに投稿された最新情報を得ることができます。
ブラウザのフィードリーダーは少し廃れましたが、フィードは現在でもまとめサイトなどが色々なサイトから新着コンテンツを取得する場合などに利用されています。
WordPressには元からフィードを自動生成する機能があり、以下のようなフィードが自動生成されます。RSS配信などにもこのフィードが使われます。
- コメントフィード
- カテゴリーフィード
- タグフィード
- 投稿者フィード
プラグインのソースコードを眺めたところ、WebSub(FKA.PubSubHubbub)はこれらのフィード情報を投稿から取得し、各ハブに送信するという処理を行う様子です。
ちなみにハブへの送信は、記事の公開時のみならず更新時や、他にもコメントが公開された時にもpingが発信される様子でした。
主なお仕事はfeedの送信とハブの公開
パーマリンク設定にもよりますが、WordPressでは各フィードのURLは以下のようになっています。
- http://example.com/feed/
- http://example.com/feed/rss/
- http://example.com/feed/rss2/
- http://example.com/feed/rdf/
- http://example.com/feed/atom/
WebSub(FKA.PubSubHubbub)を有効化すると、上記のようなWordPressに自動生成されるfeedページに、各ハブをLinkタグで追加する処理も行うようです。
WebSub(FKA.PubSubHubbub)にはデフォルトで複数のハブが登録されていますが、プラグインを有効化するとこれらのハブへのリンクがfeedページに追加されます。
- プラグイン無効化時
- プラグイン有効化時
Chromeのデベロッパーツールで確認すると、しっかりとHTTPレスポンスヘッダーにLinkタグが追加されていました。プラグインの公式ページによると、これは使用しているハブの公開が目的だそうです。(調べるとハブの利用にも必要みたい)
以上をまとめると、WebSub(FKA.PubSubHubbub)が処理する内容は以下の2点。
- WordPressの全てのフィード情報を各ハブに送信する。
- WordPressのフィードページに各ハブのLinkタグを追加する。
フィードをハブへ送信するタイミングは、
- 記事公開時
- 記事更新時
- コメント公開時
という事が分かりました。
WebSub(FKA.PubSubHubbub)のハブについて
続いて、WebSub(FKA.PubSubHubbub)に使われているハブについてです。
ソースコードを見たところ、設定値が空でもデフォルトハブが使われるようです。
WebSub(FKA.PubSubHubbub)にはハブを編集できる設定画面があり、デフォルトで複数のハブが登録されています。執筆時は以下の3つのハブが登録されていました。
- https://pubsubhubbub.appspot.com
- https://pubsubhubbub.superfeedr.com
- https://websubhub.com/hub
これらのハブは何なのか?について調べてきました。
「pubsubhubbub.appspot.com」とは?
「https://pubsubhubbub.appspot.com」はGoogleが運営するハブの1つです。
一昔前(2010年代?)には、Googleがこのハブをインデックスの手助けに使っていると公表していたみたいですが、現在のSEOで有効かどうかは怪しいところです。
以下のサイトによると、2017年の時点でサポートされているようですが、機能しているかどうかは不明瞭みたい。
「pubsubhubbub.superfeedr.com」とは?
調べると「Superfeedr」はWebSub上に構築されたフィードAPIとのこと。
どちらかというとWebサイト→ブラウザというよりもWebサイト→アプリのフィード対応用?
先ほどの「pubsubhubbub.appspot.com」はGoogleが運営しているのに対し、「pubsubhubbub.superfeedr.com」はSuperfeedrが運営しているハブみたい。
「websubhub.com/hub」とは?
「WebSub」は、PubSubHubbubがW3C勧告で新しくなった新しいハブのようです。
WebSub(ウェブサブ)とは、インターネット上の分散型出版-購読型モデル(PubSub)のためのオープン標準プロトコルである。以前はPubSubHubbub(パブサブハブバブ)という名称だった。
元々はデータフィード用のAtomやRSSプロトコルを拡張するために設計された。HTTPを介してアクセスできるデータであればどんなデータ形式にも(例えばテキスト、画像、音声、動画ファイルなど)適用できるプロトコルとなっている。
よく分かりませんが色々なデータ形式に適応できるようになって「WebSub」という新しいハブになった様子。
参考
ハブについて勉強不足でよく分かりませんでした。
いずれにしても各ハブはGoogleの「Pubsubhubbub」がベースになっており、運営会社や仕様が異なるだけだと思います。(違うかったらすいません)
WebSub(FKA.PubSubHubbub)はいらない?
ここまで「WebSub(FKA.PubSubHubbub)」の処理内容や使用されているハブを紹介してきましたが、必須プラグインか?と言われるとSEO効果は怪しいものです。
WebSub(PubSubHubbub)について色々調べていると面白いものを見つけました。
Cocoonにこのプラグインのような機能を実装できないか?というフォーラムです。
Cocoonといえば超有名なWordPressの無料テーマで、知らない人は少ないでしょう。
こちらのフォーラムでCocoonの開発者のわいひらさんが以下のように仰っています。
(~前略~)確定的ではなく曖昧な機能に、そこまで労力を割く余裕はないので、実装は今のところ考えていません。
僕は、Google Search Consoleにサイトマップ更新で十分ではないかと思っています。(~後略~)
実際、僕は今まで複数のWordPressサイトを運営してきましたが、いずれのサイトもWebSub(FKA.PubSubHubbub)は使っていません。それでもPV数や検索順位は記事数に比例して右肩上がりで、記事のインデックスに困った経験もありません。
一方で「WebSub(FKA.PubSubHubbub)」のレビューには以下のようにありました。
Just learnt more on the benefits of using WebSub a.k.a PubSubHubbub and love that this plugin did the necessary code to the feed instantly. I can see it worked as a newly published blog was discovered instantly by Googlebot after publish using the marked up feed url that I had submitted to search console sitemaps.
【日本語訳】
WebSub 別名PubSubHubbub を使用する利点について詳しく学びました。このプラグインがフィードに必要なコードを即座に実行することが気に入っています。新しく公開されたブログは、Search Consoleサイトマップに送信したマークアップされたフィードURLを使用して公開した後、Googlebotによって即座に検出されたため、機能していることがわかります。
2023/5/3に投稿されたコメントなので新しいものですが、少なくともBotは巡回してくれた様子です。
結論:迷ったら有効化しておくのが良い
色々書きましたが「WebSub(FKA.PubSubHubbub)」がいるか?いらないか?
様々な内容を考慮して最終的に僕が出した結論は、
特にデメリットも見当たらないので、迷うなら有効化しておこう!
です。致命的なデメリットの1つでも見つけてプラグイン数が増えるからぶっちゃけ不要です!!って言おうと思っていたのですが、悪くないプラグインでした。
実際にソースコードを確認しても、シンプルに作られており、WordPressの他の機能の足を引っ張るような作り方もされていません。軽量で必要な時だけ動きます。
個人的には、SEOやインデックスに関しては「サイトマップ」をサーチコンソールに送るだけで十分と考えており、新しくなって賢くなった検索エンジンのSEOに大切なのはやはり記事の質だと思います。
とはいえ、WordPressが自動出力するfeedを有効活用できる方法があるとすれば、WebSub(FKA.PubSubHubbub)のようなプラグインの活用でしょう。
SEOの決定打にはならないと思いますが、打てる手の1つであることは確か。
もしマイナスの影響が出たと思われる場合は「無効化」すればよいだけですしね。
一応本当に必要な箇所のクロール頻度が落ちてしまうのでは?という懸念もありますが、今回の内容(feed関連)に関してはこの懸念は無視しても良いと僕は思います。
まとめ
以上、WordPressプラグインの「WebSub(FKA.PubSubHubbub)」の処理内容とハブについて...結局いるの?いらないの?という考察でした。内容をまとめると以下。
- WebSub(FKA.PubSubHubbub)は必要な時にフィードを各ハブに送信する。
- WebSub(FKA.PubSubHubbub)は各フィードページにLinkタグを追加する。
- WebSub(FKA.PubSubHubbub)のメリットはクローラー(Bot)の巡回促進。
- WebSub(FKA.PubSubHubbub)を使用することによるデメリットは特にない。
- インデックス対策としてサイトマップだけで十分という声もある。
いる?いらない?という質問に僕は「あっても良い」としか言えません...
必須かと言われれば必須ではないです。どっちかというと「アリ」に1票ですかね。
「WebSub(FKA.PubSubHubbub)」については、他のプラグインのように投稿ページに何かファイルを読み込んで重たくすることもなく、バックグラウンドで処理を走らせるようなものでもないので、入れておいても良いかと思いました。
逆にWebSub(FKA.PubSubHubbub)を入れたからと言って他のサイトより有利になるようなことは無いと思います。なので要らないと思う人は削除してもOKでしょう。
当サイトは昔にあえて「サイトマップ」すら送信しない状態でインデックスの速さをテストしていた時期があるのですが、そんな状態でも爆速インデックスでした。
結局SEOの大本は昔から変わらずドメインパワーと記事の質です。