AppleのiTunesでiPhoneのバックアップデータの保存先を(C:)ドライブから(D:)ドライブへと変更する方法です。
このバックアップ保存先はiTunesの設定からは変更できないので、Windowsのシンボリックリンクを使ってC→Dに変更する方法が一般的になっています。
バックアップでパソコンのCドライブが圧迫された時などに是非ご活用下さい。
保存先が変更されるだけで、バックアップの作成&使用に不具合は出ません。
この記事の目次
iTunesでiPhoneのバックアップデータの保存先を変更する
iPhoneのバックアップを作成するには、iTunesを使うのが楽で良いのですが、iTunesではバックアップデータがCドライブ内に保存されます。
そしてiTunesの仕様上、保存先をCドライブから変更することは出来ません。
ここで多くのパソコンはCドライブがシステム用、C以外のドライブがストレージ用になっており、Cドライブの方が容量が少ないというのが面倒になってきます。
で、容量の少ないCドライブにiPhoneのバックアップ(数十ギガ~数百ギガ)を保存するとなると、すぐにCドライブが圧迫されてパンパンなってしまいます...
うちのサブのノートパソコンも自分のiPhone(128GB)のバックアップデータを1つ取ろうとしただけでCドライブが容量不足になってしまいました...。
ということで、今回はWindowsの「シンボリックリンク」というのを使い、iPhoneのバックアップの保存先をCドライブからDドライブに変更してみました。
シンボリックリンクはあまり聞きなれない言葉ですが、ショートカットみたいなものと思っていただければ大丈夫です。気になる方は関連記事(↓)をご参照下さい!
では早速やっていきましょう・w・
バックアップの保存先をCからDに変更する
早速シンボリックリンクを作りましょう!...と言いたいところですが、事前準備としてまず以下の2点を確認する必要があります。
- iTunesのデフォルトのiPhoneのバックアップの保存先の確認
- 自分が新しくiPhoneのバックアップを保存したい場所の決定
実はiTunesには、
- Microsoft Store版(ストアからダウンロードする物)
- ダウンロード版(公式サイトから.exeをダウンロードする物)
の2種類があり、iPhoneのバックアップの保存先がそれぞれ異なります。
なのでまずこれを確認して下さい!
具体的な保存先は以下のようになっているはずです。
Microsoft Store版
C:\ユーザー\ユーザー名\Apple\MobileSync\Backup
ダウンロード版
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Apple Computer\MobileSync\Backup
いずれもiPhoneのバックアップデータは「Backup」フォルダ内に保存されますが、ストア版は「Apple」フォルダの下へ。ダウンロード版のiTunesは「AppData」の下にバックアップが保存されます。
後でこの場所(パス)が必要になるので、まずこれを確認してから作業に入ります。
関連記事
保存先について詳しくはコチラ↓
【iTunes】iPhoneのバックアップの場所(保存先)はどこ?
手順1.BackupフォルダをCからDに移動
シンボリックリンクを作る前にiTunesのデフォルトの保存先から「Backup」フォルダを切り取りして、新しく保存したいフォルダに移動します。
この記事ではストア版のiTunesを使っているので、バックアップの保存先は以下。
C:\ユーザー\ユーザー名\Apple\MobileSync\Backup
Cドライブ内から「Backup」フォルダを切り取ります。
続いて、切り取った「Backup」を新しい保存先であるDドライブ内に移動します。
- D内に「iOS-backup」フォルダを新規作成
- D>iOS-backup内に「Backup」を貼り付け
Dドライブ直下だと整理しにくいので「iOS-backup」フォルダを新規作成しました。
この「iOS-backup」フォルダの中に先ほどの「Backup」を貼り付けます。
新しくiPhoneのバックアップを保存する先は
D:\iOS-Backup\Backup
にしようということです。これで準備完了!
この時点で、既存のバックアップをCからDドライブに移動しているので、Cドライブの空き容量が増えます。続いてC⇔Dにリンクするシンボリックリンクを作成し、今後のiTunesのバックアップもDドライブに保存するように変更します。
手順2.C⇔Dのシンボリックリンクを作成
準備が出来たら、C⇔Dを紐付けるシンボリックリンクを作成します。
まずコマンドプロンプトを起動します。(一応管理者権限で)
コマンドプロンプトはタスクバーの検索欄に「コマンドプロンプト」と打ち込めば出てきます。(cmdと打ち込んでもOK!)
起動したらシンボリックリンクを作るコマンドを打ち込みましょう。
打ち込むコマンドは以下のようになります。
Microsoft Store版の場合
command
mklink /D "C:\Users\ユーザー名\Apple\MobileSync\Backup" "D:\iOS-backup\Backup"
ダウンロード版の場合
command
mklink /D "C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Apple Computer\MobileSync\Backup" "D:\iOS-backup\Backup"
上のコマンドをCtrl+Cでコピーし、Ctrl+Vで貼り付ければ楽かな?と思います。
ポイント
コマンド内の「ユーザー名」と「"D:\~」の部分はPC環境で変更して下さい。
コマンドを入力してEnterキーを押し、“~のシンボリックリンクが作成されました”と出ればOKです。コマンドプロンプトを×ボタンで閉じましょう。以上で作業完了!
これで次回iTunesでiPhoneのバックアップを作成した時にはCドライブではなく、Dドライブ内にバックアップが保存されるようになっているはずです!
「Backup」フォルダのパスが分からない場合
シンボリックリンクを作成するに際に、Dドライブの方のパス(場所)は比較的簡単かと思いますが、元々あった「Backup」フォルダのパスが難しく、少し分かりにくいと思うので補足です。
パスがよく分からない方は以下の手順でパスを確認できます。
- 1.パスを調べたい場所で右クリック→プロパティ
- 2.場所の項目が右クリックしたところのパス
パスを調べたい場所で右クリックしてプロパティを開き、場所の項目に表示されているのがパスです。これをコマンドプロンプトに入力すればOKです。
ポイント
こちらもCtrl+Cでコピーし、Ctrl+Vで貼り付けが使えます。
手順3.シンボリックリンクが張れたか確認
シンボリックリンクの作成が終わったら、動作確認です。
まずはiTunesで元々iPhoneのバックアップが保存されていた場所をチェック。
フォルダアイコンに矢印マークが付いており、シンボリックリンクになっていることが確認できます。(プロパティからも確認可能です。)
ポイント
作成したこのシンボリックリンクは削除しないで下さい。
(容量0KBのままですが、C⇔Dのリンク維持に必要です。)
続いて、iTunesで実際にiPhoneのバックアップを取ってみましょう。
いつも通りバックアップが取れました!
新しく作った「iOS-backup」フォルダの中も確認。
「Backup」フォルダの中にiPhoneのバックアップが保存されていました!
参考:シンボリックリンク作成に失敗した時
今回は上手くいきましたが、シンボリックリンクの作成に何らかのミスがあり、iTunesが保存先である「Backup」フォルダを参照できない場合は、iPhoneのバックアップの作成時点でエラーが出ます。
実際にiPhoneのバックアップを作成しようとしてみて、その時に“バックアップが壊れています”的な内容が出るなら、おそらくシンボリックリンクの作成に失敗しているので再確認しましょう。
もし何か問題があり再チャレンジしたい時は、逆の手順です。
Dドライブに移動した「Backup」フォルダをCドライブ内の元々あった場所に戻し、シンボリックリンクを削除すれば実質元の状態に戻ります。
作成したシンボリックリンクやフォルダの削除にはrmdirというコマンドが使えます。
command例
rmdir "C:\Users\ユーザー名\Apple\MobileSync\Backup"
rmdir "D:\iOS-backup\Backup"
まぁ普通に右クリック→削除でも大丈夫だと思いますが...
まとめ
以上、iTunesでiPhoneのバックアップの保存先をCドライブからDドライブへと変更する方法でした。
iPhoneに保存している写真や動画が多い人だと数百GBクラスのデータをパソコン内に保存し続けないといけないので、保存先をDドライブに変更しておけばCドライブに余裕が出来て良いと思います。バックアップなので気軽に消せないしね・w・
やっていることは簡単なのですが、初挑戦だと苦戦するかも...ではではこのへんで。